映画「杉原千畝」は、諜報外交官としての側面に焦点を当てていた

現在公開されている映画「杉原千畝」を見に行きました。

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杉原千畝(wikipedia)は、実在の元外交官の人物で、日本では数十年前までは誰も知らない存在でしたが、杉原千畝に助けられたユダヤ人たちの働きでイスラエルで功績が認められて賞をもらい、その後、日本でもドラマ化などされて、ある程度、名前が知られてきました。

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(外交官時代の杉原千畝―wikipediaより)

ドラマ『日本のシンドラー杉原千畝物語 六千人の命のビザ』では、諜報活動については、現在の外交官の活動程度+ビザ発給によるユダヤ人の救済程度しか触れていないのですが、今回の映画では、ポーランド人が監督で、ポーランド諜報員の雇用、ピクニックと見せかけてのドイツ軍の移動状況調査など、諜報外交官としての側面と、に焦点を当てていました。

まるで007シリーズなみのアクションシーンで、ロシアのKGBエージェントから逃げ、捕まりそうになったところを協力者の女性がそのKGBエージェントを殴打して助かるシーンもあります。

どこまでが、実際の出来事であるかはあやしいのですが、唐沢寿明がかっこいいことと(笑)、ポーランド人目線でも描かれていることと、ポーランド人の被害についても描かれていること(ポーランドは、WWII期にソ連・ドイツの両方に人口の1/5が殺されるという被害が大きかった国)、諜報外交官としての活動に触れている点は、大変評価できます。

外交官の情報収集は現在でも行われていますが、戦前の外交官はスパイ行為とみなされるようなもっと幅広いことをしていました。実際の杉原千畝は、協力者(相手側から見たらスパイ)をかかえて活動する優秀な諜報外交官だったようです。

のような本もあります。

また、日独伊三国同盟や日米戦争を止めようとしていたという点も強調していました。

ユダヤ人を助けるくらいだから日独伊三国同盟に反対する立場なのは当然だし、冷静に考えれば、世界情勢把握に長けた人であれば日米戦争を避けるべきだと考えたとは思うのですが、あまり記録として残らない側面ではあります。

ここで、歴史上のことがらについて整理しておきます。

  • 長い間のユダヤ人への迫害は、元々、キリストを処刑したのがユダヤ人であることが原因となっており、当時、キリスト教国ではユダヤ人への迫害はよくあることだった。
  • 当時、ユダヤ人への迫害が実際に始まっていたにもかかわらず、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど、どの国も難民を受け入れず、それどころか、入国を難しくしていた。まるで、ドイツによるユダヤ人への迫害に協力しているように。フランスは、ドイツに占領される前から、ユダヤ人への迫害に積極的に加担していた。
  • その中、日本では、元々ユダヤ人に対する偏見がなく、迫害を受けていたユダヤ人が優秀なお雇い外国人として、多数日本に来ていて親しみがあった。もちろん、キリストを処刑したのがユダヤ人であることが原因である長い間のユダヤ人への迫害については、とても理解できるものではなかった。なお、ユダヤ人はミャンマーにまで移住していたということがわかっており、日本にまで来て多くの日本にある言葉などの起源となったという説もある。
  • 実際に、ユダヤ人の難民に対して、上海租界区や満州で、受け入れ活動を行っており、このような国は日本だけだった。陸軍大佐安江仙弘、海軍大佐犬塚惟重は、ユダヤ人を助けるのに尽力した人物で、今でもイスラエルでは知られている。河豚計画(1938年の五相会議で政府の方針として定まったヨーロッパでの迫害から逃れたユダヤ人を満州国に招き入れ、自治区を建設する計画)というwikipediaの項目が詳しい。
  • そんななか、上記のように、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどは、ユダヤ人の入国自体を締め出していた。まるで、ドイツによるユダヤ人への迫害に協力しているように。
  • しかし、日本は、ドイツから嫌がられても、十分な資金を持っているなどの要件を備えるユダヤ人に対して、各地の大使館・領事館などで、ビザを発行していた。これによって救われたユダヤ人の数も多い。
  • 杉原千畝は、外務省の訓命に反し、十分な資金を持っているなどの要件を備えないユダヤ人に対しても、通過ビザを与えた。これに対して、外務省からは非難された(罷免はされていない)。
  • 杉原千畝は、戦後、外務省の人員削減時に、外務省をやめざるを得ず転職した。幸子夫人によると岡崎勝男・外務事務次官から口頭で「例の件」の責任を免官の理由として告げられたという(wikipediaより)。
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映画の公式サイトより

イントロダクション

杉原千畝は、英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語など数カ国語を操るインテリジェンス・オフィサーとして、満洲、フィンランド、リトアニア、ドイツ、チェコ、ルーマニアなど様々な国に滞在。身の危険を冒しながら、混沌とする世界情勢の情報を収集し、日本に発信し続けていた。そのため、当時のソ連から警戒され【ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)】に指定された日本初の外交官でもあった。

そんな彼のドラマティックな半生を映画化しようと考えたのは、太平洋戦争下のサイパン島で戦った陸軍大尉・大場栄の活躍を、実話をもとに描いた『太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男』(2011)の製作チームだった。企画が立ち上がったのは2012年頃のこと。終戦から70年の節目に当たる2015年の公開に向けて、杉原千畝という実在の人物に焦点を当てた新たなプロジェクトが動き始めた。
映画の撮影は、外交官として世界各国を行き来していた杉原千畝の生涯を描くため、ヨーロッパをロケハンの末にポーランドで行うことが決定した。その決め手となった大きな理由の1つは、ポーランドでは『シンドラーのリスト』(1994)を初めとした数々のハリウッド映画が撮影されており、国外作品への参加経験が豊富かつ優秀な映画スタッフが数多くいること。こうして偶然にも、映画『杉原千畝 スギハラチウネ』は、ユダヤ難民の凄惨な過去を今に伝えるアウシュビッツ収容所のある、ポーランドでオールロケにて撮影されることとなった。
そして、国境を越えて超豪華キャスト&スタッフが集まった。外交官として日本の行く末を案じ、行動した主人公・杉原千畝を演じたのは、日本映画界を牽引する俳優・唐沢寿明。千畝を常に支え、安らぎを与える美しき妻・幸子に国際派女優・小雪が扮した。加えて、小日向文世、塚本高史、濱田岳、滝藤賢一など日本映画界を代表する錚々たる実力派俳優陣が顔を揃えた。撮影地ポーランドからも、本国で絶大な人気を誇る俳優陣が集結。モントリオール世界映画祭にて最優秀男優賞にも輝いた俳優・ボリス・シッツが千畝の右腕・ペシュを演じた。さらに、アンジェイ・ワイダ監督作品『ワレサ 連帯の男』(2014)でヒロインを演じ、“ポーランドの至宝”と呼ばれる女優・アグニェシュカ・グロホフスカが千畝の満洲時代の同僚・イリーナ役を務めた。
そして日本、ポーランド、そして米ハリウッドのスタッフによる混成チームを束ねたのは、『ブラック・レイン』(1989)、『トランスフォーマー』(2007)などのハリウッド大作で助監督を担当し、2009年に『サイドウェイズ』で映画監督デビューを果たしたチェリン・グラック監督。監督は英語や日本語はもちろん、フランス語も堪能。本作のように、外国の風景の中で撮影し、外国語のセリフが主となる作品に、リアリティをもたらす演出ができたのはチェリン・グラック監督だったからこそ。以前から監督の才能に惚れ込み、一緒に仕事をすることを熱望していた唐沢寿明にとっても念願のタッグが実現することとなった。

杉原千畝は、なぜ自分だけでなく家族までもが危険に晒される諜報戦に身を投じたのか。どうして政府の許可を待たず独断でユダヤ難民にヴィザを発行し続けたのか。終戦から70年の節目となる今、その決意の裏に秘められた感動の真実が、ついに明らかになる!

戦後70年の時を経て、“真実の物語”が
感動超大作としてスクリーンに甦る!

物語

1934年、満洲。満洲国外交部で働く杉原千畝(唐沢寿明)は、堪能なロシア語と独自の諜報網を駆使し、ソ連から北満鉄道の経営権を買い取る交渉を有利に進めるための情報を集めていた。翌年、千畝の収集した情報のおかげで北満鉄道譲渡交渉は、当初のソ連の要求額6億2千5百万円から1億4千万円まで引き下げさせることに成功した。しかし、情報収集のための協力要請をしていた関東軍の裏切りにより、ともに諜報活動を行っていた仲間たちを失い、千畝は失意のうちに日本へ帰国する。

満洲から帰国後、外務省で働いていた千畝は、友人の妹であった幸子(小雪)と出会い、結婚。そして、念願の在モスクワ日本大使館への赴任をまぢかに控えていた。ところが、ソ連は千畝に【ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)】を発動。北満鉄道譲渡交渉の際、千畝のインテリジェンス・オフィサーとしての能力の高さを知ったソ連が警戒し、千畝の入国を拒否したのだ。

1939年、リトアニア・カウナス。外務省は、混迷を極めるヨーロッパ情勢を知る上で最適の地、リトアニアに領事館を開設し、その責任者となることを千畝に命じた。そこで千畝は新たな相棒ペシュと一大諜報網を構築し、ヨーロッパ情勢を分析して日本に発信し続けていた。やがてドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発すると、ナチスに迫害され国を追われた多くのユダヤ難民が、カウナスの日本領事館へヴィザを求めてやって来た。必死に助けを乞う難民たちの数は日に日に増していく。日本政府からの了承が取れないまま、千畝は自らの危険を顧みず、独断で難民たちに日本通過ヴィザを発給することを決断する―

書籍版は、

外交官が活躍する映画としては、他に、フィクションですが、織田裕二扮する現代の外交官「黒田康作」が活躍する「アマルフィ 女神の報酬」とその続編の「アンダルシア 女神の報復」があります。

amalfi

 

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